千代田エコシステム(CES)という教育プログラム
~千代田区立麹町小学校の環境の日~

2009/09/25

 小、中、高等学校における環境教育は定着しつつあります。ただし、年によって、教育に費やす時間や内容にばらつきが出ることもあります。環境に関する活動で、何より大切なことは「継続」です。まわりの状況に左右されることなく続けていくことは難しいことですが重要です。
 では、どのようなことが活動を継続させるのに有効なのでしょうか。千代田区立麹町小学校では、教育活動全体を通して環境教育を推進しています。その中で、月に一度、「環境の日」を設けています。この日は環境にかかわることを各学級、学年ごとに、指導するというものです。
 環境教育の出発点は、まずは環境に関する問題について知るということだと麹町小学校では考えました。何が問題となっているのか、環境に関する問題が今後大きくなると何が起こるのか。私たちの生活はどうなっていくのか。現状と将来について知ることは、自分たちの今の生活を見直すきっかけとなります。環境の日には、身近な環境問題を取り上げながら、自分たちにできることを考えていけるようにしています。
 地球規模の環境問題を知ることはとともに、自分たちにできることは何かを考えることが大切です。そして、考えるだけでなく実践していくことに意味があると麹町小学校では考えます。
 環境の日は、最初に教師が子どもたちに、環境に関する話をします。そうすることで、「使わない電気は消す」「水は出しっぱなしにしない」「文房具を大切に使う」「ごみを分別する」など、学校でもできる行動につながっていくといいます。話の後、掃除など、身の回りからきれいにしていく活動を実施します。そのとき、活動前に「リサイクル」や「ごみの分別」の話を聞いておくと、掃除の一つずつの行動に意味を見いだせるようになります。このような子どもの「気づき」を意識しているところに、麹町小学校の特徴があります。
 実施していることは、特別お金がかかっているといった、大がかりなことではありません。環境に意識しながら掃除するといった身近なことです。でも、環境の日を定めて、「環境への配慮」を意識することで、同じ掃除といった身近にできることにも、「気づき」が生まれます。これがあるのとないのとでは効果が違うのは明らかです。「環境の日」を定め、内容を充実させる。これが環境への取り組みが長く続くコツなのかもしれません。

■行政と学校の協力

 千代田区全体をみると、麹町小学校以外にも、環境教育に力を入れている学校が多数あります。千代田区はCES(千代田エコシステム)といって、千代田区に関わる全ての人々が取り組みやすい環境マネジメントシステムを推進しています。区内の小、中学校の多くが環境教育を推進しているのはそのためです。
 区全体としての具体的な活動の一つに、ISO14001認証の取得がありました。千代田区では2003年に環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001認証を取得。ただし、このときの認証取得範囲は千代田区役所本庁舎、千代田図書館、千代田会館など、限られた範囲でした。その後、環境問題解決のためには、大人たちが現状を改善していく努力だけでは十分ではない。次の世代を担う子どもたちを、今まで以上に環境にやさしい人に育てていくことが重要だと考えました。そこで、環境教育をより一層充実させていく方法として、ISO14001を学校教育の現場に導入することが浮上しました。2004年、千代田区は、ISO認証取得を区立小学校(8校)、中学校(5校)、幼稚園(8園)などの区立学校・園に拡大しました。
 学校と行政がつながることで、同じ活動でも効果がより大きくなります。千代田区の活動はそのいい例として参考になります。

(取材・文 江口陽子)