交流の輪が広がるこどもエコクラブ全国フェスティバル2010

2010/04/27

 3月27日(土)、日本科学未来館で「こどもエコクラブ全国フェスティバル2010」が開催されました。環境保全活動に取り組む子どもたちが全国から集まる、一年の集大成ともいえるイベントです。特徴的なのは、子どもたちがプログラムを受け身で参加するのではなく、積極的に子どもたち同士で交流ができるようになっているところにあります。他のチームの活動を知る機会や、他のチームのメンバーと話し合いをする場も用意されています。
 壁新聞は参加した子どもたちが心をこめて一年の活動をまとめたもので、フロアーに張り出されます。互いに他のチームの活動を知ることが、自身の活動に大きな影響を与えます。イベントの中でも、大きな催しの一つは表彰です。全活動の中から、「活動が地域ならではのもの」「オリジナリティにとんだもの」を基準に特別賞が選定されました。




活動内容は一枚の壁新聞にまとめられて報告
活動内容は一枚の壁新聞にまとめられて報告




■休耕地利用が大賞に

 日本科学未来館のホールでは、活動したグループへの表彰と、活動報告が執り行われました。環境大臣賞に輝いたのは、長野県「小諸市立板の上小学校6年2組」。31人で耕作放棄地をそば畑にした活動に贈られました。小諸市には、数年前までは田んぼとして活用されていた土地が、耕作者の減少により「休耕地」になってしまい、年々休耕地が増加して、目立つようになっていました。休耕地には、手入れできる人がいないので雑草が生い茂り、荒れ果ててしまいます。ときには、心ない人がゴミを捨て、見た目にも酷い状態が続いていました。また、近隣の住民のなかには、荒れ地に生えた雑草の一種「ブタクサ」アレルギーで苦しむ人が増え、解決しなければならない問題として浮上していました。
 「小諸市立板の上小学校6年2組」はこの耕作放棄地を利用する方法はないかと探し始めました。そして、候補にあがったのがそばの種。たとえ荒れ果てた土地でも、そばは日当たりと水はけがよければ丈夫に育つといいます。まさに、耕作放棄地をよみがえらせるのにぴったりの植物だとして、そばを栽培することが決まりました。
 とはいえ、小学生にとって、土地を耕すのは大変な作業です。とても、自分たちでは対応しきれません。この状況に、近隣の住民の方たちが協力することが決まります。地域の人たちの助けを借りながら、6年2組のメンバーはそばを大切に育てました。そばというのは年二回、夏と秋に収穫します。できあがったそばは、それは美味だったといいます。そして、そばの麺だけでなく、そば粉クレープなどのそば料理にも挑戦しました。
 これまで山積していた課題には、地産地消の問題や荒れ地へのゴミ放棄、害虫被害、ブタクサのアレルギーと多数ありましたが、そばを育成することで、一気に片付きました。それだけでなく、荒れ地だった土地に、そばの花が咲き、地域の人たちの心を和ませる効果ももたらしました。
 現在、日本の各地で、休耕地を再利用しようとする動きが広がっています。そして、以前からの課題である「地産地消」の推進、「6年2組」の活動は、これらを満足していることが、環境大臣賞を受賞した決め手となったようです。




「小諸市立板の上小学校6年2組」 授賞の模様
「小諸市立板の上小学校6年2組」 授賞の模様




「エコ弁当」メニューはオムライス、ベジスナック、アメリカンドック、イチゴ
「エコ弁当」メニューはオムライス、ベジスナック、アメリカンドック、イチゴ




ロッテの企業ブース。オリジナルのガム作り
ロッテの企業ブース。オリジナルのガム作り




■ちょっとだけ工夫することでエコ弁当に

 表彰の後は、特別エコセミナーなどのお話が続き、次第に子どもたちのお腹がすきはじめました。セミナーが終わると、いよいよ昼食の時間です。出されたお弁当は、「エコ給食」。材料の購入から調理、片付けまで、環境に配慮した工夫を加えた調理を「エコクッキング」といいます。「エコ弁当」は「エコクッキング」によってこしらえられたお弁当で、給食として参加者に出されました。
 オムライスのなかにあるニンジンは、ベジスナックで型抜きした残りのニンジンが使用されています。アメリカンドッグのウインナーは無添加ソーセージ。米ぬかでつくった油で揚げているので、フードマイレージが低いです。また、デザートのフルーツは旬のイチゴ。旬の果物屋野菜は、育てるときに、エネルギーが少なくてすむので、旬の食材を選ぶだけで「エコ」になります。そして、お弁当箱はサトウキビのしぼりかすが原材料になっているものです。と、材料や作り方を少しだけ工夫することで、普通のお弁当がエコ弁当に変わります。子どもたちはオムライスにケチャップで絵や文字を描いて、お弁当をいただきました。

 最初にも触れましたが、こどもエコクラブ全国フェスティバルの大きな目的の一つは、子どもたちの「交流」にあります。別の地域のグループがどのような活動に取り組んでいるか、他を知ることで、互いにいい刺激となって、活動が活性していきます。
「壁新聞セッション」の時間では、壁新聞が展示されているコーナーにイベントに参加した全員が集まり、互いに自己紹介しながら、他のグループの活動の取材をしました。
 自分たちとは違う視点や同じやり方、相違点や共通点を感じながら、子どもたちはそれぞれ、来年の活動へのアイデアをもらい、帰途につきました。
 

受賞者の皆さん
・環境大臣賞:長野県「小諸市立坂の上小学校6年2組」
・日本科学未来館賞:福井県「坂口エコメイト」
・ロッテ賞:福岡県「たぶのきエコキッズ」
・大和ハウス工業賞:山形県「イオンチアーズクラブ三川店」
・コカ・コーラ賞:高知県「Happiness(ハピネス)」