医薬品事業の営業車160台をハイブリッドカーに変更
〜株式会社ヤクルトの環境への取り組み〜

2008/05/27

ヤクルト、医薬品事業の営業車160台をハイブリッドカー(*1)に変更

最近、営業車を環境負荷の低いハイブリットカー、トヨタのプリウスに切り替える企業が目立っています。そんな中、2008年2月、ヤクルトは医薬品事業の営業車、約160台をプリウスに切り替えると発表しました。


「ヤクルト本社医薬品事業に使っている営業車を順次切り替えていく予定です。ヤクルトの医薬品事業では営業車を180台保有しています。そのうち、4WD車を使用している北海道・東北地区の約20台を除き、営業車を全てハイブリッドカーにすることにしました」(ヤクルト広報談、以下同じ)
 切り替えが一斉ではなく順次行われるのは、現行、営業車のリースがあるからです。リース契約が切れたものから替えていく予定。2012年までに、対象となる営業車を全て入れ替えるといいます。 「現在、営業車の走行距離の総計は年間約351万km。地球約9周分に及びます。環境への影響が大きいのです。プリウスに切り替えることによって、約3割、燃費が良くなる予定です。同様に3割程度、CO2が削減できると予想しています」


 なぜ、医薬品事業の営業車を対象としたのでしょうか。
「医薬品の営業は日本全国の病院に対しての営業活動を実行します。それぞれの病院との距離が長いので、医薬品事業の営業車は走行距離が長いのです。他方、街中でよく見かけるヤクルトの営業車は実は近距離の場所に運んでいるので、走行距離は大きくないのです」
 実際に、ヤクルトでは車の走行距離を調べました。すると、予想通り、医薬品事業の営業車の走行距離のほうが長かったといいます。
「そこで、医薬品事業の営業車を対象に、プリウスのようなハイブリットカーに切り替えれば、環境負荷低減に対して高い効果が期待できる。これが決定の理由です。環境負荷の低減はしっかりと考えて、できることからやっていきたいですね」
 ヤクルトでは、1991年に環境対策を担当する組織を整備しました。さらに、1997年には地球環境の保全を「社会と共生する経営」の重要課題の一つとしました。環境関連の法令遵守をはじめ、流通での廃棄物、そのほか温室効果ガスであるCO2排出量の低減など、多角的に取り組んできました。営業車のトヨタのプリウスへの切り替えもその一つなのです。


 医薬品事業の営業車をプリウスに切り替えることにはもう一つ目的がありました。
「営業車をエコカーに替えることで、運転する従業員の環境意識が高まると思います。環境対策で力を入れる点として、企業全体としての取組みが大切であることはもちろんです。加えて、従業員一人ひとりの意識を高めることも必要です」
 プリウスは未来型の車。また、温室効果ガスであるCO2排出量の低減だけでなく、エアコンの冷媒にはオゾン層を破壊しない代替フロンHFC134-aを採用している点。前後のバンパーやインストルメントパネルなど内外装品にリサイクル性に優れた樹脂TSOPを使用している点。環境負荷物質である鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの使用量を低減し、業界目標を達成している点など、環境への配慮が行き届いた車です。
 車好きの人なら、一度は乗ってみたい自動車でもあります。すでに乗車した営業社員からは、満足したという声や乗心地が良いという感想が入っているといいます。すでに、およそ10台の営業車がプリウスに切り替わっています。自分の使っている営業車が早く切り替わることを待ち望んでいる従業員も多いことでしょう。
 現在、原油高によるガソリンの価格が高騰しています。そんな中、プリウスのような燃費のよい車はコストダウンにつながるのではないでしょうか。
「現状では、コストダウンに対する期待はありません。燃費はいいのですが、リース料は普通車よりも高いので、コストは変わりません。ただ、当社としては環境への取り組みという面で、世の中に貢献したいという思いで実施を決定しました」
 CO2排出量の低減、従業員の環境への意識を高める、この2点から見て、プリウスへの切り替えは高い効果が期待できそうです。
(文 江口陽子)

(*1)ハイブリットカー (Hybrid Car) とは、作動原理が異なる二つ以上の動力源をもち、状況に応じて単独、あるいは複数と、動力源を変えて走行する自動車のこと。自動車のエネルギー効率は、 "Well to Wheel"(油井から車輪)までの総合効率で考える必要があるが、ハイブリッドカーは総合効率が電気自動車や燃料電池自動車と同程度であり、環境負荷の 低い実用車として注目されている。 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』