環境学習として「エコプロダクツ2008」を訪れた生徒たち

2008/12/25

 参加企業、団体等は758、来訪者は約17万4000人という日本最大級の環境展示会、「エコプロダクツ2008」。12月11日から13日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されました。開催10周年となる今年は、出展者数と来場者数ともに過去最高を記録。なかでも、小中高生の姿がたくさんありました。今年は20,584人もの幼稚園児を含む小中高の生徒が団体で参加しました。バスで来場するケースが多く、一日120台、3日間で472台ものバスが駐車場にとまったといいます。

オープニングは中学生と幼稚園児による「エコライフ宣言」です。それぞれ、自身の取り組みや考えを述べ、これからの行動を宣言しました。
「今日(エコプロダクツ2008で)は、今まで培ってきたエネルギーや環境についての考えをより深め広げていきたいと考えています」
「お花や動物たちと仲良く遊べるきれいな地球をこれからも作っていきます」


オープニングでエコライフ宣言をした5名
オープニングでエコライフ宣言をした5名


■子どもたちはエコプロダクツで何を学ぶのか

 来場する生徒は首都圏の学校に通う子どもが大部分を占めます。千代田区立九段小学校のある教諭によると、その学校ではエコプロダクツ2008を次のように学習の位置づけとしています。
「社会科見学として訪れました。子どもたちが掲げる見学のテーマは『自分にできることを探す』になっています。事前にどこを回るかは決めていません」
 ブースを回り、自分にできる環境への配慮を考え、見つけることが今回の目的になっているといいます。九段小学校では、以前東京ガスの方による出張授業を3回実施しています。エコプロダクツ2008の見学はこれらの環境学習のなかで、最後のプログラム。子どもたちは来場する前から、エコプロダクツ2008に興味を抱き、楽しみにしていたのでしょう。

 茨城県のある小学校は5年生、6年生の2学年で訪れました。子どもたちとブースをまわる、ある先生は言いました。
「環境の学習ということで来ました。今年から市全体で環境教育に力を入れています。その一環として、エコプロダクツ2008の見学があります」

 会場にはお母さんと一緒に見て回る幼稚園児の姿もありました。
 出展分野は家電、エネルギー、素材、自動車などから、日本の産業を代表する企業が出展しています。その多くは「子どもたちの学習」を意識してブース作りをしています。アサヒビールグループでは、ブース内に工作スペースを設けています。工作で使われる木材は社有林「アサヒの森」の木を利用。アサヒの森は、東京ドーム463個分に相当する2,165haの広さをもち、年間約12,000トンものCO2を吸収しています。工作を通して、植林という環境保全への取り組みを子どもたちに伝えています。


ブースで利用している木材も社有林「アサヒの森」の木を使っています
ブースで利用している木材も社有林「アサヒの森」の木を使っています


 JR東日本のブースでは小学生の男の子が熱心に質問していました。
「JR東日本は環境について、どのように考えていますか」
 質問も本格的です。電車が大好きだというこの小学生男子は、こんな質問もしていました。
「仕事のやりがいは何ですか」
「お客様の笑顔を見ることです」
 答えるJR東日本の社員も丁寧に話をします。電車が大好きだというその男の子にとって、エコプロダクツ2008は将来の職業への夢を育む場でもあるようです。

■来訪する子どもの数が増えている

 トヨタ自動車のブースで人気だったのは、一人乗りの未来型の乗り物、パーソナルモビリティです。電池で走るので、CO2排出量をおさえることができる環境対応車。一人乗りのキュートなデザイン。車で行くには近すぎるが、歩いていくには遠すぎるような場所への移動に便利です。今、実用化に向けて開発が進められています。近い将来、近所の道路にパーソナルモビリティの姿を見かけるかも知れませんね。


トヨタ自動車 パーソナルモビリティ
トヨタ自動車 パーソナルモビリティ


 10年前に始まった「エコプロダクツ」ですが、初年度では3日間合わせても来訪者は4万7000人でした。10年が経った今回は初日だけでこの人数を上回ったといいます。特に、2006年度から来訪者の伸びが顕著になりました。毎年、ビッグサイトの東側の展示場がエコプロダクツの会場になります。2006年は6つあるホールのうち4つを、2007年は5つを利用しました。今年は東展示場6ホール全部がエコプロダクツ2008の会場となりました。環境への関心は大人だけでなく、子どもにまで広く浸透しています。来年も、そのまた次の年もまた、エコプロダクツ展には多くの子どもたちの姿があることでしょう。

(取材・文 江口 陽子)


記者会見で挨拶する実行委員長である山本良一教授
記者会見で挨拶する実行委員長である山本良一教授